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【施工事例】キッチンを囲むくつろぎともてなしの空間-キッチン編-

山本 洋平

キッチンディレクター 山本 洋平

キッチン・造作収納を活かしたフルリノベーション

今回のお客様は、A邸のキッチン施工事例をご覧いただきご来店されました。

当初はキッチンのご相談でしたが、話を伺っていくと、キッチン以外にも、床、壁、天井、水廻りを含めた全体的なリフォームのご予定でした。
リノベーションの会社もご検討されてましたが、最終的には全てお任せいただき、
オーダーキッチン、洗面化粧台2カ所、TVボード、玄関収納のオーダー製作と内装・水廻りのフルリノベーション工事をさせていただきました。

リフォームするにあたって長年温められていたイメージをたくさんお持ちだったご夫婦。
ボリュームが大きいのでTOPICSはキッチン編、造作家具(洗面・TVボード・玄関収納)編、建築編の3回に分けてご紹介します。
今回はキッチン編です!

キッチンを中心とした空間作り

6年ほど海外赴任をされてご帰国。
退職後も視野に入れて、ご家族でゆっくりできる空間や、友人を招いてのホームパーティが楽しくできる空間を考えていらっしゃいました。

工事前のLDK
キッチンは奥まった場所にありました。

工事前の間取り
お料理が大好きな奥様の現状の間取りのネックは、キッチンが奥まった空間にあることと、 内装が濃い目で暗く感じる事でした。

キッチンレイアウトのご要望は
・キッチンをリビング側に出して明るく開放的にし、奥はパントリーとして利用したい。
・ホームパーティーをよくするのでおもてなし空間にしたい。
・アイランドをみんなで囲みたい。
という内容でした。

初回のヒアリングでは、アイランド・ペニンシュラ型のプランをご提案。
お話を伺っていくと、全体のリノベーションをお考えでしたので、
2回目からはリノベーションだからこそできる案をご提案。



最終プランがこちら。
もともとのキッチン部にあった壁をなくし、コンロからリビング側にカウンターを伸ばした
ペニンシュラ風の2列型(Ⅱ型)としました。
とても気に入っていただき、キッチンの形状が決まりました。
このキッチンレイアウトを中心に家全体のプランニングを進めていきました。

お料理を楽しむ奥様のご希望がつまったキッチン


キッチンはイメージ写真をたくさんお見せいただき、また、 仕様・機器については様々なご希望がありました。
・カウンター:クオーツストーン
・レンジフード:Rの強いマントル型
・コンロ:ガス→IHにしたい
・シンク:内部に水切りを設けたい+ディスポーザー
・金物:ゴールド色・真鍮
・機器、素材:掃除しやすいもの
・シンク上は棚をもうけて飾りたい

イメージとご希望はありつつも、「金額が高いようだったら大丈夫です」と、最初は控えめなご意見の奥様でした。
「せっかくなので‘‘こうしたい’’を遠慮なくおっしゃってください!優先順位や価格の落とし所は僕たちと考えていきましょう。大丈夫ですよ!」とお伝えし、一度諦めた内容も‘‘これはきっとやりたいんだろうな’’という内容は復活させながら整理し、ご提案を進めていきました。

ご提案したイメージ

こだわりのカラーと素材


奥様のこだわりがつまったカラーとマットな質感。
シンク側のメインの扉。少し艶を落としたグレー色のウレタン塗装仕上げで、
取っ手はマットなゴールド。
オープンの飾り棚は造作TVボードと同素材のオークの突板。小物を飾れるスペースに。
カウンターはご希望のクオーツストーン。
水栓はタッチレス混合水栓、浄水器に分け、マットなゴールドを採用。
食洗機、電気オーブン、ディスポーザーのフルセット。

飾るパントリー


パントリー部はオープン棚。
海外のパントリーのように棚板・側板の厚みを通常より太く見せ、存在感がある棚に。
物を飾っても華奢に見えないようにしました。
面材はメイン側と近似色のメラミン化粧材。強度があり、掃除がしやすいのが特徴です。

水切り付きのオーダーシンク


シンクは水切り一体型の形状がご希望でした。シンク横に斜めの水切りスペースを設け、さらに洗剤ポケットを付けたステンレスシンク。シンクは手板金にてオーダー製作。
ご希望に合わせて制作できるのがオーダーシンクの大きな利点です。

コンロのカウンターは一段下げて作業効率アップ


今回のキッチンのポイントでもあるクォーツストーンのカウンター。
ベースの部分は厚み60mmとして存在感を出し、IH部分はカウンター厚を薄くし一段低くしています。
カウンターの高さが統一されているとスッキリ美しいのですが、
食材を刻んだり、盛り付ける作業と、炒めたりする作業では、意外と使いやすい高さが違います。
コンロ部の高さは少し下げるとお鍋の中が見やすくなったり、フライパンを振りやすくなるという利点があります。
また、長さのあるカウンターは通常継ぎ目があるのですが、
クォーツストーンは人造大理石と違い、継ぎ目が出る素材です。どこで継ぎ目を作るかもプランの一つです。

今回のキッチンは迫力のあるサイズ感でしたので、継ぎ目をなるべく目立たなく美しく見せる工夫として、コンロ部で継いでいるという意味合いもあります。
カウンターを継ぐことで、サイズが大きなカウンターでも製作、搬入を可能にしています。

出し入れしやすいワイヤーシェルフ



コンロ下はワイヤーシェルフを採用。
重たい鍋が奥にあっても引き出して簡単に取り出せる便利なパーツです。

框の扉でアクセントを


框タイプの扉も悩まれていましたが、全体的に框扉が面積を占めてくると、可愛くなりすぎてしまう事も。
奥様のイメージは少しスッキリかっこいいイメージもお持ちでしたのでバランスを調整。
メインの扉はフラットな扉、ペニンシュラのカウンター下のみ框扉とし、アクセントとしました。
スツールを3脚並べ、普段は軽食やお酒を嗜むスペースとして、来客時は皆さんで囲めるスペースとしました。

ライトコントロールでくつろぎのシーン分けを


照明はFUTAGAMIの真鍮のペンダントランプを選び空間のアクセントに。
吊戸下、カウンター下には間接照明をいれ、またLDKの照明スイッチはライトコントロールを導入。
間接照明のみ、ダウンのみなど、照明のシーン分けができるようにして、
夜のくつろぎの時間をゆったり楽しめる空間としました。

Ⅱ型決定後のプロセス

キッチンの構成はシンクスペース、コンロスペース、作業スペース、パントリースペースと
とても理想的なプランにできました。
しかし、実際の現場には一部にパイプスペース(PS)や梁、下がり天井などがありました。
また、もともとのキッチンからシンクとコンロを大きく移動した為、排水とダクト(排気)の移動が可能かがプランのポイントとなりました。
解体するまで移動可能かが確認できない為、移動できなかった場合の、代替プランもご提案。
結果的には職人さんにがんばっていただき、なんとか移設、理想プランを具現化できました!

次回は造作家具編!お楽しみに。。。

今回のようにIMPLEMENTSでは、オーダーキッチン・造作家具にからむリノベーションも承っております。

具体的なオーダーキッチンの進め方はこちらから
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